ハンドヘルド蛍光X線分析器が日本でも利用されるようになったのは90年代後半です。発売当初と比べると分析器の性能も飛躍的に向上し、判別できるスクラップや鋼材の種類は飛躍的に増えました。しかし、同時に製造される金属も多様化し、異材混入による歩留まり低下が問題視されるようになりました。本サイトでは100種類を超える金属の判別方法を紹介しています。
使用機材は弊社が販売する日立ハイテクアナリティカルサイエンス社製X-MET8000をもとに、浦野商事で日本向けに感度をチューニングし、オリジナルで作成した鋼材データベースを搭載させています。材質名の日本語化や判別マッチングを最適化し、現場に優しい仕様に改良しています。鋼材データベースにはJIS規格以外にも流通しているメーカー開発合金も可能な限り追加し、正しい鋼材名で識別できるようにしました。特にリサイクル現場でNGとされる不要元素を含んだ合金や、代替される省エネ合金を定期的に追加しています。本サイトで紹介している金属の多くはお客様に頂いたスクラップや、市中で利用されている鋼材です。
本サイトの目的は、浦野商事リサイクル事業部の「スクラップ原料の品質向上で日本の資源循環を促進する」をモットーに、日本全国のリサイクラーと金属スクラップの判別方法を共有することです。金属リサイクルの歩留を向上させるためにはスクラップの仕分けを適切に実施し、原料の品質向上が必須です。またスクラップの発生工場では鋼材の成分チェック、PMI検査、異材混入の防止策が要求されます。分析器でスクラップの品質と信用を高め、皆様のビジネスの一翼を担えれば幸いです。
日立ハイテク アナリティカルサイエンス社製
ステンレス鋼 | オーステナイト系 ・SUS200 ・SUS201 ・SUS301 ・SUS303 ・SUS304 ・SUS304L ・SUS305 ・SUSXM7 ・SUS315J2 ・SUS316 ・SUS316L ・SUS316L低Mn ・SUS309 ・SUS310S ・SUS312L ・SUS317L ・SUS904L ・Alloy20 ・Nitronic50/SUSXM19 ・SUS321 ・SUS347 ・SUS384 ・SUSXM15J1 ・SUH31 ・SUS836L クローム系 ・SUS403 ・SUS405 ・SUS410 ・SUS420J2 ・SUS430 ・SUS440 ・FW1 ・FW2 ・SUS425/429 ・SUS430J1L ・SUS436L ・SUS443J1 ・SUS444 ・SUS430Ti/SUS439L 二相系と析出硬化系 ・SUS329J3L/S31803 ・SUS329J4L ・S32101 ・S31260 ・S32750 ・S39274 ・SUS630 |
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銅合金 | ・上銅 ・リン脱酸銅 ・テルル銅 ・クロム銅 ・スズ入り銅 ・鉄入り銅 ・鉄ニッケル銅 ・マグネ銅 ・チタン銅 ・鉛銅 ・シリコンマンガン銅 ・MX96 ・コルソン ・丹銅 ・セパC2600 ・セパC2700 ・コーペルC2800 ・真鍮C3604 ・真鍮C3771 ・真鍮C3710 ・ビスマス黄銅 ・ネーバル黄銅 ・高力黄銅 ・エコブラス ・砲金BC6 ・砲金BC3 ・ビスマス青銅 ・ビスマスセレン青銅 ・アルミ青銅 ・鉛青銅 ・ローズブロンズ ・リン青銅KLF5 ・リン青銅C5111 ・リン青銅C5102 ・リン青銅5191 ・リン青銅5212 ・リン青銅C5240 ・快削リン青銅C5341 ・白銅 ・洋白銅 ・ベリリウム銅25合金 ・ベリリウム銅7合金 ・ベリリウム銅11合金 ・ベリリウム銅50合金 |
アルミ合金 | ・A1000 ・A1070 ・A1050 ・A1100 ・A1200 ・A8079 ・A2014 ・A2017 ・A2024 ・A2219 ・A2011 ・CB156 ・CB256 ・A3003 ・A3004 ・A5052 ・A5056 ・A5083 ・A5182 ・A6063 ・A6061 ・A6262 ・GT209 ・A6111 ・プリウスボンネット ・A7075 ・A7050 ・A7N01 ・A7005 ・AC2B ・AC4A ・AC4C ・AC8A ・ADC12 ・ADC6 |
ニッケル合金 | ・インコネル600 ・インコネル601 ・インコネル617 ・インコネル625 ・インコネル718 ・IN713 ・GTD111 ・MGA2400 ・インコネルX750 ・ハステロイC276 ・ハステロイX ・ハステロイB2 ・ハステロイG3 ・MAT21 ・ハステロイC22 ・ハステロイC2000 ・パーマロイPB ・パーマロイPC1 ・パーマロイPC2 ・コバール ・インバー ・快削インバー ・スーパーインバー ・快削スーパーインバー ・コンスタンタン ・クロメル ・アルメル ・Nimonic75 ・インコロイ800 ・インコロイ825 ・モネル400 ・モネルK500 |
チタン合金 | ・CPチタン ・チタンパラジウム ・6-4チタン ・3-2.5チタン ・15-3-3-3チタン ・形状記憶合金 |
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無酸素銅OFCやタフピッチ銅。純度は銅99.9%以上で上銅と呼ばれる。パイプや打抜き材、ブスバーなど様々ある。銅スクラップには鉄粉が付着してることが多いため、研磨して分析したほうが良い。スズや鉄を添加した合金もあり、厳密には仕分けすべき。
純銅にマグネシウムを添加したMSPシリーズ。車載端子やリレーで使用されている。X線分析器ではマグネシウムが検出できず純銅と間違えてしまうため注意。純銅と比べるとものすごく硬い。レーザー分析器なら識別可能。
三菱マテリアルMSPシリーズサイト
CU 99.3%, Mg 0.7%
純銅にチタンを3%添加した高強度銅合金。ベリリウム銅の代替品としてコネクタなどに使用されている。画像はJX金属のC1990を分析したもの。信じられないくらい硬い。
JX金属チタン銅サイト
Cu 97%, Ti 3%
ニッケルとスズを添加した銅合金。三菱電機メテックスの開発合金。
Cu 80%, Ni 9%, Sn 6%
ニッケルとシリコンを添加したコルソン系合金。プラスチックの金型材に使用されている。画像は大和合金製を分析したもの。
Cu 90%, Ni 7%, 他いろいろ
鉛レスの真鍮。C6801などがある。見た目で判断することは不可能。黄銅削り粉にビスマス系が混入してリサイクルの歩留まり低下が問題となる。伸銅メーカー向けでは重量%で0.01程度までと厳しく、混入させると賠償問題になることもある。
Cu 60%, Zn38%, Bi 1%以上